六甲おろしが結んだ絆…
僕が、とある結婚式会場で働いていたころの話です。
一見、すごくヤンチャに見える新郎様と、
大人びた美しい風貌の新婦様の
担当をさせていただいたことがありました。
見た目とは違い、
マイペースでとても話しやすいお二人だったので、
打ち合わせは順調に進んでいきました。
そんな中、結婚式まであと一か月と時間が迫り、
司会者との進行打ち合わせをしているときに、
新郎様が唐突に、
「親への手紙は、僕が読みたい。」
とおっしゃられました。
並々ならぬ決意を感じた僕は、
「わかりました。想いの丈を、ありったけぶつけてください。」
とお伝えし、了承しました。
そして迎えた当日…
このお二人、阪神タイガースが大好きで、
ウェディングケーキは甲子園の形で作ったりと、
会場の装飾やBGMなど、いたるところに阪神色を
出しておりました。
阪神ムード満点の中、
和気あいあいとパーティーが進み、
いよいよ終盤が差し迫ってきました。
そして、新郎様が想いの丈をつづったお手紙を
読む時間になりました。
和やかなムードから、
徐々にセンチメンタルな色合いへと会場の雰囲気が変化する中、
新郎様が口を開きました。
そこには、長年迷惑をかけ続けた父親への想いを、
かみしめるように言葉にする新郎様の姿がありました。
「お父さん、幼少のころから今まで、お父さんとの関係は
一筋縄ではいかなかったね。
まだ僕が小学生だった時は、普通の親子のような感じで
会話していましたね。
よく甲子園にも行きましたね。
でも、成長する中で、僕がどんどんとおかしな方向へ行き、
家出し、親子関係も長らく途絶えた時期もありましたね。
最愛のおじいちゃんが亡くなった時も、葬儀にも
顔を出さなかった最悪な自分がいました。
僕は自分自身を憎み、自分自身に本当に後悔しています。
でも、許されるならば、お願いです。勝手を言わせてください。
今日という日を迎えることができたのも、
ひとえにお父さん、あなたのおかげです。
お父さん、僕は愚息で、
本当に言葉ではいくら謝罪しても
しきれないぐらい迷惑をかけたけど、
一緒に甲子園に行って、阪神の会話に花が咲いたあの頃の
ような関係で、今後もずっといさせてください。
生まれ変わっても、お父さんの子供でいたいです。
ダメな息子からの、たった一つのお願いです。
お父さん、来ていただいている皆さん。
僕といっしょに、六甲おろしを唄ってくれませんか?」
新郎様が、想いを伝えたその時、
六甲おろしの音楽が、さっそうと流れてまいりました。
感動と躍動感にあふれる中、
皆で六甲おろしを熱唱しました。
新郎様とお父様の絆を中心に、
ゲスト全員の心が一つになった瞬間でした。
そして六甲おろしを熱唱したその最後に、
会場内に盛大にジェット風船が舞いました。
まさしく六甲おろしが結んだ、
父と新郎様との絆が
垣間見れた時間でした。
何より、
あんなにヤンチャに見えた新郎様の口から、
しっかりとした口調で
お父様への想いが感動的に語られたことに
僕はビックリしました。
きっと新婦様は、新郎様のこういう一面に
惚れたのだろうなとも感じました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
このお二人の場合、
コンセプトは阪神タイガースから生まれました。
結婚式は、瞬間瞬間がドラマの連続です。
あなたは、どんなコンセプトを基に、
どんな未来-story-を描きたいですか?
ぜひお聞かせください。
アズールウエディングは、いつでもお待ちしております。